紅葉雄鶏図
~解説~
油彩 非定型( 900×300 )
が、そんなにしょっちゅう鶏ばっかり描いているわけではない。自分は鶏画家ではないし、鶏をグッズを集めているわけでもない。が周りが、「ほら!鶏だぞ!!」とグッズを見せてくるし、「今もまだ鶏描いてるの?」と聞いてくる。
欲しい鶏グッズは伊藤若冲の鶏をシェードにした電灯と、本人真筆の墨でかかれた鶏の掛け軸くらいだ。
この絵を結婚式の時に展示していたら、嫁側の介添えさんがとても気に入ってくれて買いたいと申し出てくれたが、金額を言ったら音沙汰がなくなった。
作家の一点物の絵というのは有名無名関係なく思ったほど安くない。気に入ってこの金額なら買いたい。がそれ以上は出さないという考えは当然理解できるのだが、自分ではそこまで高く設定もしていない。むしろかなり安かったと思うが作家側と世間の「絵の値段」というのは温度差を感じる。
自分の絵にはまだ中古のPS4以上の価値はなかったのだろう。
そのための個展時のポストカード販売だ。
だいたい誰でも150円前後だからお気に入りの作家のお気に入りの絵のポストカードがあったらポッキーを買うくらいの気持ちで買ってくれ!!
話をもどして、伊藤若冲の『紅葉小禽図』ほどの狂気と技量もないが、インスパイアという立ち位置で描いている。こういう花鳥画を油絵で日本画っぽく描くのも楽しい。足の向きの理屈なんてどうでもよく、モデルのように足を魅せるポーズというのもいろいろと悩んで描くと奥深いものがある。
ただの鶏と紅葉だけの絵だと描いてて面白くないので、変化をもたせたかったが、どう変化を持たせるのかを考えるというのも難しい。
結局こうなった。
個展に出品した時の個展のテーマとはなんのつながりや関連はなく、説明文でも下の通りである。
個展名 ~『それでも』と言い続ける展覧会 より~
この個展のタイトルは、自分が好きな小説家が作品の中の登場人物がよく言っていたセリフをもとに、どんな状況でも『それでも』と心に言い聞かせ立ち向かっていく人を描いた作品群です。深刻な問題から、そこまで重くない問題まで、いろいろな状況の人たちが出てきます。
~個展時の説明分より~