妄想と現実の間

妄想と現実の間

Yasushi Takahara oil paint

朝降る街の魔女裁判

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~解説~

油彩 M30号(910×606

某天空の城の映画のキャッチコピーではないが、少女が空から降ってくる、というより落ちている絵。

 中世ヨーロッパに実際にあった魔女裁判の方法で、お城の上から疑いの掛けられた女性を突き落とし、魔女なら空を飛んだり、魔法で助かるが、魔女として火あぶりにかけられ、そうでなければ人間であるということで無実とするが・・・。どちらにしてもバットエンドな結末。

数万人の女性が犠牲になったという。

天高くそびえる塔の上から突き落とされた女性はどちらなのか。そしてその結末は?

 

よくみるとお腹が膨らんでいる。妊婦である。安定期には入った程度。

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この作品を出品した個展のテーマが相対性理論

以前紹介した 月に一度、卵の中の待ち合わせ - 妄想と現実の間

と同じテーマ内の作品だが、どう相対性理論につながるかというと「物質が光速に近づくと質量が増え、光速を超えると、質量が無限になる」現象を絵にしたもので、くさい話だが、人の命はどんなものよりも重い。しかも二人分なので、よけいに重い。細身の重い女である。

無限の重さが光を超える瞬間、夜明けの太陽の光が街に降り注ぐのを通り越して、落下している真っ只中。この女性は何を思うのか。 某竹取のキャッチコピーではないが、この女性の犯した罪と罰、そしてその後にどうなったかは、見る人に任せています。

ニワトリはダイレクトには描いていないが、地上の街並みに光が当たって「ニワトリ」と読めなくもない風に描いているが、わかる人なんて一人もいないし、いわれてもわからない。

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余談だが、この個展を福岡のケーブルテレビに紹介され、地元ローカルの番組中に作品の何点かを説明付きで放送してもらったのだが、細かい設定等の話はしていなかったので、キャスターのひとがこの作品を見て「朝焼けのきれいな涼し気で気持ちのいい絵ですね」と言っていた。また作者の紹介で、名前以外、生年月日、出身校、出身地が全く違っていてもはや別人であった。oh~j-com!!


個展名 ~ものさしで図る相対性理論展 より~

個展のテーマというのはその時期に興味を持った物や事柄、以前から好きなものをテーマにしていることが多い。

今回はその両方で、昔よくNHKとかであってたホーキング博士の物理特集やブラックホールや宇宙特集をよく見ていたのとその時にはまってたゲームの「シュタインズゲート」の影響で決めた。

「物質が光速になると質量が無限になる」「物質の速度が光速に近づくと空間がゆがむ」などなどの相対性理論の現象をテーマに描いた作品集で、素人には難しすぎるから30cmものさしで図れる程度にかみ砕いて表現しようと試みたので、この個展名にした。

 

~個展時の説明分より~

 中世末期に行われた魔女(男性も含む)かどうかの見分け方の一つ。城壁から突き落とし、生きていたら魔女、死んだら人間として扱う。魔女狩りにより数万人の人が殺害されたが、21世紀の現在でも、一部地域で行われていて、私刑として無実の人が殺害されている。