高濃度スプリングの餌
~解説~
油彩 M30号( 910×606 )
個展を開くときは一枚必ず桜の絵をフラグシップ機ばりにメインに持ってくるが、この時の桜の絵はメインではなかった。
縦長の絵を描きたかったのでハマってたM30号を使用したが、このころより画材の高騰により一枚が限界。
春の訪れ、眠りから覚めた人は、春の瘴気が濃すぎるので冬眠から覚めたカエルのような型の防護服を着て鉄橋っぽい小さい渡しの橋を釣り竿をもって歩いている。餌となる猫を針に結んで、狙うのは橋の下を泳ぐアロワナ。
しかしよく見ると、アロワナの一部のうろこが剥げている。猫を餌にアロワナと釣るというより、猫の餌のためのアロワナである。何度か挑戦してやっとうろこ一枚をはがしようやくたどりついた肉部分。(もし猫が食われれてもいざとなったら釣り上げる覚悟!)飯にありつけることができるのか。
腹を満たすとは生きるということである。