妄想と現実の間

妄想と現実の間

Yasushi Takahara oil paint

胡蝶の夢

f:id:anu-orta-veniya:20200504211329j:plain





~解説~

油彩 F15号(652×530

これを描いた当時は妊婦の裸体というものをまじまじと見たことがないので、ネットに頼るしかない。画像検索万歳である。

 胡蝶の夢(こちょうのゆめ)は、中国の戦国時代の宋生まれの思想家で、道教の始祖の1人とされる人物の荘子(荘周)による、夢の中の自分が現実か現実の方が夢なのかといった説話である。

夢の中で胡蝶(蝶のこと)としてひらひらと飛んでいた所、目が覚めたが、はたして自分は蝶になった夢をみていたのか、それとも今の自分は蝶が見ている夢なのか、という説話である。それは目的意識に縛られない自由な境地のことであり、その境地に達すれば自然と融和して自由な生き方ができると荘子は説く。 (wikiより)

 

が、タイトルの意味だが、中国の思想家の思いを絵にしたというそんな大それた絵を描くつもりは全くないし、そこまで高い意識をもって絵を描いていない。

 

運命を司る天使か悪魔のような存在の妊婦が宇宙を連れてニワトリに乗って世界を回っている。

f:id:anu-orta-veniya:20200504224041j:plain

その道中に見つけてしまった蜘蛛の巣につかまった蝶の運命を悲しく思うのか、自然の摂理と思うのか。そう思っている妊婦の存在自体が蝶の夢なのか。という感じの絵である。蜘蛛の巣の蝶のような困難な時でも、「それでも」と心に言い聞かせ、wikiにあるように目的意識に縛られない自由な境地に達して自然と融和して自由な生き方をしたいという心の願望の絵である。

f:id:anu-orta-veniya:20200504224105j:plain

をタイトルとともに当時後付け設定で考えて個展のタイトルにつじつまをうまく合わせた。

ただ単に、星空の下を鶏に裸の妊婦をのせて描きたい欲を形にした絵である。

 

頭の星雲はアンドロメダ銀河。

胡蝶の夢wikiでみるよりアンドロメダ銀河を調べて読む方が好きだ。

木にかかった蜘蛛の巣は対岸の陸にあると想定して描いているが、言われなければなぜそこに木の枝があるのかわからないと個展時に指摘されて、たしかにと思う。

 

 

個展名 ~『それでも』と言い続ける展覧会 より~

この個展のタイトルは、自分が好きな小説家が作品の中の登場人物がよく言っていたセリフをもとに、どんな状況でも『それでも』と心に言い聞かせ立ち向かっていく人を描いた作品群です。深刻な問題から、そこまで重くない問題まで、いろいろな状況の人たちが出てきます。

 

~個展時の説明分より~

夢なのは蝶か人間か、次に生まれ変わるなら何にしよう。とにかく来世から本気出す。

次のうち、この絵のテーマにあった叫び声はどっち?

A 早く人間になりたい!

B 早く人間国宝になりたい!